はじめに
今回ビデオカードの低電圧化とその効果を検証しようと思います。体感スペックほぼそのままで消費電力と温度を抑えたいのが狙いです。Geforce、Radeonどちらも付属のソフトやMSI Afterburnerを使えば簡単に設定出来ます。自分の現行ビデオカードでは最初から低電圧で動かしていて、ある程度の効果は薄々感じていましたが、実際にどの程度のものなのか気になったので改めてデータを取って比較検証してみました。
検証環境
OS | Windows 11 Home |
CPU | Ryzen 7 5700x |
GPU | Radeon RX6700XT(PowerColor Fighter) ↑ 今回これを低電圧化 |
M/B | B550M Pro4 (Asrock) |
Memory | DDR4 16GB(8×2) 3600Mhz |
Storage | M.2 Gen4 2TB, M.2 Gen3 500GB, SATAⅢ 250GB |
電源 | 650w Bronze |
ケースファン | 前面140mmx2(吸気)、天面120mmx2(排気)、背面120mmx1(排気) |
ケース | Thermaltake S100TG(ミニタワー) |
検証方法
設定パターン:以下3種類
設定項目 | GPU電圧 | GPUクロック | 備考 |
---|---|---|---|
デフォルト | 100% | 100% | 1200mV、2569Mhz |
低電圧化 A | 97% | 94% | 数値割愛 |
低電圧化 B | 95% | 90% | 数値割愛 |
測定項目:FPS、消費電力、温度、ファン回転数等
測定方法:FF15ベンチマーク(WQHD高品質)
サンプルデータ数:71 ※ベンチマーク時間およそ355秒を5秒ごとに観測(生データは割愛)
電圧設定方法:AMDソフト Adrenalin ver23.11.1で以下のバーを動かすだけ。電圧-1%につきクロック-2%(これじゃなきゃダメとかではないです)。
結果
ベンチマークスコア
FPS推移
GPU消費電力
GPU温度
GPU HOTSPOT温度
ファン回転数
※ファンは普段からよく回る設定にしています。
実測値
比較項目 | 電圧100% | 電圧97% | 電圧95% |
---|---|---|---|
ベンチマークスコア | 7411 | 7242 | 7064 |
差異 | -2.3% | -4.7% | |
FPS平均 | 74.5 | 73.1 | 70.0 |
差異 | -1.9% | -6.1% | |
FPS最大値 | 102 | 95 | 97 |
FPS最小値 | 48 | 48 | 45 |
GPU平均消費電力(w) | 185.0 | 165.0 | 144.0 |
差異 | -10.8% | -22.2% | |
ボード平均温度(℃) | 69 | 67 | 63 |
差異 | -3.2% | -8.4% | |
ボード最大温度(℃) | 71 | 69 | 65 |
差異 | 0.0% | -2.8% | -8.5% |
HOTSPOT平均(℃) | 84 | 79 | 72 |
差異 | -6.3% | -14.1% | |
HOTSPOT最大(℃) | 88 | 82 | 74 |
差異 | 0.0% | -6.8% | -15.9% |
FAN平均回転数(RPM) | 2,905 | 2,555 | 2,352 |
差異 | -12.0% | -19.0% |
感想
性能3~5%犠牲にして消費電力20~40wと温度-5℃~-10℃前後を得ているといったところでしょうか。-3%のときよりもそこから更に-2%した合計-5%したときのほうが効率が良くなっているのが分かります。ゲーム中の体感はFPSが低くなるシーンでは結局どれも低いのでほぼ同じかと思われます。アッパー側に10~20増えても分かりませんしね。温度については本ビデオカードのHOTSPOTは最大105℃位まで耐えうる設計らしいのでデフォルトでも大丈夫だとは思われますが、88℃だったのが74℃まで下がったのはかなり安心感あります。夏場はどうしても気になりますしね。結論として確かに体感スペックほぼそのままで消費電力と温度が抑えられいるのではないでしょうか。実際の使用については各ゲームごとにクロックと電圧が指定できるのでお好みで設定するとよいかと思われます(あくまで自己責任で!)。
ベンチマーク比較動画
最後に測定に使った録画をアップしておきます。これだけ見ると最後の方で描写に時間差が出るのでデフォルトいいな~とは思うのですが、ゲーム中だとどれも体感は分らないはず。