アリエクのAMD Ryzen CPUバルク品

AliExpress セールアイキャッチ画像 PC

本記事は2024.3.27時点での記事となります。

以前にAli Express(以下アリエク)でRyzen CPUを購入した記事を書きましたが、アニバーサリーセールでRyzenが安くなっているので、前回記事で詳細を書いていなかったバルク品について触れてみます。基本的にCPUについての話なので他の製品については事情が異なります。以下の記事も合わせてご参照ください。

価格

まず国内価格と比べてみます。アリエクの価格は日々の為替レートに連動して上下します。
以下は購入画面まで進めてアニバーサリーセールのクーポンが適用された価格です。
この記事を執筆中に売り切れになっている可能性があることご了承下さい。

価格.com最安値アリエクセール
Ryzen5 7500F一般販売なし16,360
Ryzen7 770045,48025,000
Ryzen7 5700x3D36,20026,960
Ryzen7 7800x3D44,96045,170
単位:日本円

安いですね。Ryzen7 7800x3Dは3月に入って国内相場が一気に下がったので、アリエクと悩む必要がなく国内一択です。ある意味これが一番お得かもしれません。

新品、本物?

新品で本物でした。2023年7月にアリエクでRyzen7 5700xを購入しましたが、全コアスペック通り最大クロック出ますし、問題なく動作しています。中古や訳アリ品は明示されています。あくまで優良店の話です。リスクは北京オリンピック前や20世紀ほどではありません。ただし、上記のようなCPUが現時点で10,000円なら裏があると思うセンスは必要です。

バルク品って何?

  • 正規品ではない
  • 化粧箱に入ってない
  • 訳アリ品
  • 保証は初期不良のみが対象
    (メーカー保証ではなく、アリエクがショップと購入者の間に入ってくれる購入者保護です)

バルクという言葉にピンと来ない方もいると思われますが、例えるなら形がギリギリ規格外で売り場に置けない野菜がどうにかして売られているようなものはPCパーツでいうバルク品です。かつて国内でもCPUがプラケースのみでワゴン売りされていたり、ビニール袋で吊るされて売られていた時期がありました。

バルク品が安い理由

今回はアリエクのビッグセールということで安くなっていますが、そもそもバルク品が安い理由を挙げておきます。よくある話ですが大体以下の理由になるかと思われます。

  1. 在庫と流通による理由
  2. スペック上の理由

在庫理由
ざっくりとした説明になりますが、要は在庫過多です。
半導体、電子部品の製造業界では1~2か月で仕入れから販売まで行うことが多く、3か月売れないと企業会計的に売れない資産を持っているという扱いになってくるので、廃棄するか原価割れしてでも処分を検討します。CPUって2~3年持つから1年くらい待ってもいいのでは?という一般人的な感覚とは異なります。受注予測や在庫数次第で戦略として在庫期間を意図的に長くすることもありますが、基本的にサイクルは早く、商流の上流にいる企業が安くしているケースはありえます。

商流面の理由
今回安くなっているCPUですが基本的に低クロック版の値下げ幅が大きいです。可能性としての話ですが、高クロック版は主にAMDが製造委託業者から購入して正規品として展開、同プロセスで選別された低クロック版は正規品もあるものの、たくさん出来てしまうので小規模商社が安く買い取って小売りに流しているようなことが想定されます。上記と実際の商流は正確には異なるのでしょうが、広い意味では類似したような商流になっていると思われます。そうでないと、バルク品が安くならないので。

AMDがAMDの製品を購入?と思われるかもしれませんが、AMDは製造を外部委託しているので、商流上一旦そうなるという仮定です。製造業や商社ではよくある話です。ちなみにintelはアリエクだとあまり安くなってなく、生産拠点や自社生産であること、ライセンス等の状況がAMDと異なることで中国に安く流れていないと思われます。

スペック上の理由
まず筆者が昨年購入した5700xは購入前の商品説明に「パッケージが滑らかではありません」というような説明が書いてありました。パッケージって透明のプラケースではなく、CPUの上部金属カバーかコア以外の殻全体のどちらかを指していると思われますが、普通にマザボに取り付けて、今日まで稼働しています。何が違うのか未だに分かっていません。

スペックは機能、外観、寸法が図面と規格書で細かく指定されており、理想とされるセンター値があってプラス/マイナスでここまでならOKという数値(公差といいます)が基本的に指定されています。スペックというのは一般消費者には知らされない設計上のスペックです。そこを微差で外れていたり、定義されてない箇所の寸法が設計データと違うとか、公差を緩和して問題ないなさそうだが、設計者が緩和してくれない、といったような事情で動作はするが正規品として扱えないようなものもあります。そういったものがバルク品として流通することは理由として考えられます。

まとめ

客観的に情報を確認して、バルク品をうまく利用するとよいかと思われます。ちなみに中国からの輸入ですが、表示価格と送料以外に輸入消費税というのが発生する場合と発生しない場合があります。関税はCPUの場合ゼロです。輸入消費税は発生するはずなのに請求されないこともあります。それでも安いですが、気になる方は事前に調べておくとよいかもしれません。

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